鎧袖初雁雑事記

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zoom RSS 第四回「年上の女(ひと)」2009.1.25

<<   作成日時 : 2009/01/25 22:28   >>

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ラブコメ路線、驀進中です。サブタイトル、年上の女(おせん)でいいのか、年下の女(初音)にしたがよかったのか、迷うような内容でした。おせん(常盤貴子)、一気呑みやらっぱ呑みは絵的には楽しいのですが、あんまりです。しかも、酒乱・・・・・・
兼続(妻夫木聡)もきっと両者の間で迷いはじめたのかもしれませんが、ドラマでは兼続と初音(長澤まさみ)が男女の関係を持つことは今のところなさそうですね。原作でもっとも批判されていた設定でありますし、真田幸村の姉から妹へ変更されておりますから、ドラマオリジナルキャラと考えても支障ありますまい。
ただ、気になるのは初音の年齢ですね。永禄十一年(一五六八)生まれとされる幸村の妹であるから、ドラマの天正二年(一五七四)当時は初音は六歳以下!「こんなところ来とうはなかった」と叫んでいた与六少年と対して年齢が違いません。すごいですね、六歳になるかならぬかという年で織田信長(吉川晃司)の使者として船で越後までやって来るとは。「崖の上のポニョ」を歌っているぐらいの女の子が信長の使者ですから。しかもたった一人の使者ですか。
悪いことは申しません。今からでも遅くはないから「幸村の姉」に変更してはいかがでしょう?
そうすれば、おせん&初音の年上の女コンビが兼続を翻弄することになり、サブタイトルを「年上と年下の女」にすれば、ちょうどよいのではないでしょうか。

【上杉景虎と華姫の婚儀】
天正元年当時は、もはや越相一和は破綻しております。実際には上杉・北条の関係が悪化する以前、時期的には越相一和が成立した永禄十二年中に越後へ迎え取られた北条三郎こと景虎は直後に婚姻がなされます。その様子を聞いた景虎(玉山鉄二)の実父北条氏康が喜んでいる書状が残っています。ドラマの設定ではやや遅い感じがしますが、これも演出上の理由がいろいろあるのでしょう。景虎と華姫(相武紗季)の語らいの折、花弁が落ちるのも未来を予測させます。ちなみに、柿崎晴家(角田信明)が初回から出ていますが、実は三郎景虎と交換という形で小田原へ証人として赴いておりました。ただし、いつ頃どのような形で越後へ戻ってきたのかは不明です。天正三年軍役帳に「柿崎左衛門大夫」とあるので、この頃までには帰国していたようです。

【上杉本・洛中洛外図屏風】
初音が運んできた信長から謙信へのプレゼントです。もちろん、これは創作であり、実際、いつ、誰(贈主)がどのような状況下で上杉家に贈ったか、という件に関しては諸説あります。その謎に迫る論者たちがおり、近年、「上杉本・洛中洛外図屏風」に描かれる景観年代を発端として、論争が巻き起こっています。このあたりの様子を知りたい方は、今谷明『京都一五四七年ー描かれた中世都市』、瀬田勝哉『洛中洛外図の群像ー失われた中世京都へ』、黒田日出男『謎解き洛中洛外図』の三冊に目を通すとよいでしょう。私はいちばん読みやすい感じがした『謎解き洛中洛外図屏』から読みはじめましたが、ミステリ仕立ての構成にひきつけられてしまいました。その後、黒田日出男氏が触発されたという瀬田氏の著作、そしてそもそもの論争の火付け役となった今谷氏の著作にあたりました。どれも力作ですが、そのうち一冊を、ということであれば、読みやすさの点で『謎解き洛中洛外図』を推します(岩波新書、版元品切れ中)。現在、同屏風は国宝に指定され、米沢上杉博物館に収蔵されています。なお、原本展示は期間が決められています。期間外はレプリカが展示されています。
それにしても信長の命で貴人の行列をあとから描き足すというのはいただけません。また、屏風を見に行く途中、泉沢久秀が「又五郎と呼ぶな、久秀と呼べ」というのもあり得ない話です。「久秀と呼ぶな」ならば、わかりますが。

【上杉家の七免許】
ドラマの中で、初音が「なぜ、信長様がこれを謙信公に贈られたか。じっくりとご覧下さい」というセリフとともに、画中の貴人の一行がクローズアップされます。実は、この貴人の行列は謙信を描いたものとする説が現在主流となっています。この一行には、謙信が足利将軍家から許された「上杉の七免許」のうち何点かが描かれているからです。「上杉の七免許」とは、白傘袋、毛氈鞍覆、文の裏書、塗輿、菊桐の紋章、朱塗柄の傘、屋形号です。このうち、「洛中洛外図屏風」には、白傘袋、毛氈鞍覆、塗輿、朱塗柄の傘が描かれています。初音に言われて、兼続が「洛中洛外図屏風」に描かれた貴人の行列を謙信であると喝破しましたが、その手がかりとなったのが、毛氈鞍覆と塗輿でした。





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鎧袖初雁雑事記
2009/01/28 21:21

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
初音の年齢、私もかなり気になりました。
原作では、兼続を翻弄する役どころだったように記憶しているのですが・・・。まあ、NHKが原作をそのまま再現するのは無理としても、それをしなかったがために余計無理な設定になってしまっているのも否めませんね。

洛中洛外図屏風に関する本、オススメのを読んでみたいと思います。『謎解き…』版元品切れ中ですか(泣)図書館にあるかしら・・・
よーぜん
2009/01/26 23:38
昌幸の年の離れた妹だったら説得力あったと
思うんですがねぇ。
原作をいい意味でぶっ壊してる部分は評価しますが
もう少し時代考証とか史実とのセッティングを
考えて欲しいと思うんですが・・・
トラマ
2009/01/27 10:24
ひえ!年上の女になってる!

大河ドラマ「天地人」では、当初、初音の設定が真田幸村の「妹」となってましたが、「姉」に変ってます(笑)

http://www9.nhk.or.jp/taiga/cast/index.html
三楽堂
2009/01/28 01:08
>ひえ!年上の女になってる!

ほんとだ(爆)
日曜日に見たときは、確かに「妹」でした。
おかしいぞ的なメールでもあったのでしょうかね。
なんだか見境ありませんね。
よーぜん
2009/01/28 09:26
スタッフで誰か指摘してあげられなかったんでしょうか?何か「物申す」ことができない雰囲気があるんでしょうかね。
煩雑を避けるため複数の人物をひとりの人物として描く(「毛利元就」の桂広澄&坂広秀、「天地人」の北条高広&北条景広etc)ことはアリだと思いますが、初音の場合はちょっといただけません。
一応、年齢考証してみましたが、実は幸村の姉としても、「真田昌幸の娘」とするには結構苦しいです。トラマさんが提唱する「真田昌幸の妹」ぐらいがちょうどよろしかろうと思います。

三楽堂
2009/01/28 20:55

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